世界の食アレルゲン比較
世界の食品アレルゲンは日本とは違うの??
世界の食品アレルゲンは、日本とは違います。
世界それぞれの食品アレルゲンを見ていきましょう!
食の輸出入に関わる仕事をしている方でも、意外と「アレルゲンは世界で違う」ということを知らない方が多いようです。
今回は「日本から食品を輸出しているメインの国」に絞って比較していきます!
日本のアレルゲン 🇯🇵
まずは、日本のアレルゲンを確認しておきましょう。
*日本は、アレルゲンの「推奨」項目も一応紹介しておきます。
- エビ
- カニ
- 小麦
- 卵
- 乳
- そば
- 落花生
- くるみ
*2023年3月9日に「くるみ」がアレルギー表示義務項目に変更
- あわび
- いか
- いくら
- オレンジ
- 大豆
- カシューナッツ
- キウイ
- 牛肉
- くるみ
- ごま
- さけ
- さば
- 鶏肉
- バナナ
- 豚肉
- まつたけ
- もも
- やまいも
- りんご
- ゼラチン
- アーモンド
*参考:Eurofins HP
「くるみ」がアレルギー表示「義務」になったという点は押さえておくべきポイントですね。
一旦、日本はこういう状況です。
日本の「表示推奨項目」に入っているものは、他の国でアレルゲンに指定されているものもあります。
では、他の国々も見ていきましょう!
中国のアレルゲン 🇨🇳
次に、2022年の食品輸出先国 第1位の中国を見ていきます。
- グルテン物質を含む穀物及び穀物製品
- 甲殻類およびその製品(例:エビ、ロブスター、カニなど)
- 魚およびその製品
- 卵およびその製品
- 落花生およびその製品
- 大豆およびその製品
- 牛乳および乳製品(乳糖を含む)
- ナッツ類およびその製品
*参考:農林水産省
日本との主な違いは…
- 「えび・かに」が1つにまとまっている
- 「魚」が義務項目に入っている
の2つです。
日本と、そこまで大きく変わらないということが分かりますね。
香港のアレルゲン 🇭🇰
次は、2022年の食品輸出先国 第2位の香港を見ていきましょう!
- 大麦、小麦、ライ麦、オーツ麦などのグルテンを含む穀物
- 魚および魚製品
- 卵および卵製品
- 落花生、大豆およびその製品
- 甲殻類および甲殻類製品
- 木の実およびナッツ製品
- 牛乳および乳製品
- 亜硫酸塩
*参考:Centre for Food Safety The Government of the Hong Kong Special Administrative Region
中国と近いですが…
- 「大豆」と「落花生」がひとつになっている
- 「亜硫酸塩」が増えている
のが違いです。
ちなみに、「亜硫酸塩」は、ワインの酸化防止剤などに使われていたりします。
これは、日本では今のところアレルゲンにはなっていません!
米国のアレルゲン 🇺🇸
続いて、2022年の食品輸出先国 第3位のアメリカを見ていきます。
- グルテンを含む穀類
- 卵
- 甲殻類(カニ, エビ, ロブスター等)
- ピーナッツ
- 大豆
- 木の実(アーモンド, マカダミア, クルミ, ヘーゼルナッツ, ピスタチオ等)
- 乳
- 魚
- ごま
*参考:Eurofins HP
今まで見てきた国々との違いは、「ごま」が含まれている点です。
アメリカでは2023年1月1日から「ごま」はアレルゲン表示義務に指定されているので、かなり最近なんですね!
台湾のアレルゲン 🇹🇼
次は、2022年の食品輸出先国 第4位の台湾です。
- 甲殻類
- マンゴー
- 落花生
- 牛乳や山羊乳
- 卵
- 木の実(ナッツ類)
- ゴマ
- グルテンを含む穀物
- 大豆
- 魚
- 10㎎/kg以上の亜硫酸塩
*出典:Eurofins HP
「マンゴー」「山羊の乳」などは台湾ならではのアレルゲンです。
また、「ごま」もアレルゲンになっていますね。
ベトナムのアレルゲン 🇻🇳
続いて、意外かもしれませんが、2022年の食品輸出先国 第5位のベトナムを見ていきます。
- グルテンを含む穀類
- 魚および魚製品
- 卵および卵製品
- 落花生
- 大豆およびその製品
- 甲殻類および甲殻類製品
- 木の実およびナッツ製品
- 牛乳および乳製品
- 亜硫酸塩
*出典:UNIVERSITY of NEBRASKA
ベトナムは、特有のアレルゲンはあまりないイメージですね。
EUのアレルゲン 🇪🇺
最後に、2022年の食品輸出先国 第6位のEUを見ていきます。
- グルテンを含む穀類
- 甲殻類(カニ, エビ, ロブスター等)
- 卵
- 魚
- ピーナッツ
- 大豆
- 乳(ラクトースを含む)
- ナッツ類(アーモンド、ヘーゼルナッツ、くるみ、カシューナッツ、ピーカン、ブラジルナッツ、ピスタチオ、マカダミアナッツまたはクイーンズランドナッツ)
- セロリ
- マスタード
- ゴマ
- 二酸化硫黄(亜硫酸塩)
- ルピナス
- 軟体動物(カキ, イカ, ホタテ等)
*出典:Eurofins HP
EUは今までと全然違いますね…
- セロリ
- マスタード
- ルピナス
- 軟体動物
はかなり特徴的ですね。
「ルピナス」は、マメ科で、食用に「菓子・パスタの製造、乳及び大豆の代替、栄養補助食品、ソース、小麦粉用添加物など」で使用されているそうです。
日本だとあまり聞かないものですが、これはEUでアレルゲンなんですね。
まとめ
という事で、日本からの輸出国上位6カ国のアレルゲンを見てきました。
結論は、「ざっくりは似てるが、一部それぞれの国特有のアレルゲンがある」という状況でした。
アレルゲンが正しく書かれていない場合、販売国でリコール対象になってしまう可能性があります。
せっかく努力をして輸出したのに、アレルゲンチェックが抜けてしまい、大きなコストが発生してしまうのは非常にもったいないですよね…
ぜひ今回のアレルゲンを確認して、それぞれの国で安心して販売できるようにしていきましょう!
アレルゲンは変更される事があるので、もしアップデートがあればまた伝えていきます!
では、今日もよい1日をお過ごしください〜!